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丈夫できらびやかな光沢が魅力。
歴史を紡ぐ伝統工芸のお店

小崎葛布工芸

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JR掛川駅より歩いて約8分。「小崎葛布工芸」は高級伝統工芸・葛布(くずふ)のお店です。店内には葛布を使ったバッグや日傘、筆記用具や財布などの小物がずらり。オーダーメイドの葛布製すだれやのれんなども取り扱っており、着物やお茶といった日本文化を嗜む方や、伝統ある和の美しさに魅了された常連の方などが利用しています。きけば建物の内壁や天井も葛布が使われているとのこと。それだけ日本人の生活にとって、なくてはならない存在でした。


葛布は日本三大布のひとつで、「掛川手織葛布」は現在、静岡県の郷土工芸品に指定されています。鎌倉時代には蹴鞠(けまり)に用いられるなど、歴史的に見ても貴族に愛される工芸品でした。高級品とされるのはその製作工程の手間にあります。葛は表皮・繊維・芯の三層構造になっており、葛布はそのうち繊維の部分のみを使用。まず、採取した葛のツルを釜で煮たのち、きれいな水に浸し、その後土の中で発酵させます。こうして表皮や芯などを剥がしやすくすることで、ようやく写真のような繊維の部分が取り出せます。


ここからさらに気が遠くなる作業の連続。繊維を1本ずつ割いては結び、1本の長い糸に仕上げていくのです。糸の状態になったことでようやく機織りができるように。とはいえまだまだ繊細ですから糸が切れぬよう、手織りで丁寧に織っていくことで、1枚の布に仕上がっていきます。葛のツルを取ってから織りはじめられるのに約1週間。ツル100kgに対して繊維は1kgで、糸の状態までとなると使用可能な部分は全体の1%以下。手間暇かけて作られた「葛布」は水に強く丈夫で、きらびやかな光沢があるのが特徴。また、「玉」とよばれる糸同士の結び目が、生地のさわり心地に変化を与え、”葛布らしさ”を演出してくれます。


葛布のもうひとつの魅力は経年変化。“はじめ銀色、あと金色”という言葉があるそうで、織りたて(写真左側)は白く輝くシルバーかかった光沢がありますが、使えば使うほど味わい深い飴色に変わっていくそうです(写真右側)。これで作られてから100年ほどとのこと。丈夫がゆえに、店内には190年前の葛布の衣類も保管されているというから驚きです。


「小崎葛布工芸」の代表を務めるのは小崎隆志さん。最近は甥である小崎将徳さんも仲間入り。「生まれ育った地の伝統である葛布を絶やしたくない」と、会社を退職して地元へ戻ってきたそうです。現在は隆志さんの元で学びながら、その技術を磨いています。製作にかかる労力や時代変化などが影響し、今では掛川に2件しかないという葛布店。それでも、葛布や葛の魅力や歴史を継承したいと、小崎隆志さんを中心にさまざまな活動にもチャレンジしているそうです。


葛は葛布の貴重な材料であり、葛粉や漢方薬などの原料ながら、実際はどこへでも繁茂する“厄介な雑草”扱いを受けてしまうことも。そこで葛を粉砕して紙にするという特許技術を用い、名刺やパンフレットを制作。伝統工芸保全と環境保護の両面から、行政や地元企業を中心に積極的な活用をPRしているといいます。また、美術系大学の学生に講義や機織り体験などを行い、若い世代に対してもアプローチを欠かしません。 800年あまりの間紡がれた歴史ある伝統が、隆志さんから将徳さん世代、そして未来へ。ぜひ一度、掛川が誇る伝統工芸品にふれてみてはいかがでしょうか。


葛日傘 各49,000円


バッグ(全葛) 各26,000円


ペンケース 各3,500円

  • ※表示されている価格は店頭価格です

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